ソジャット・ヘナ刈り紀行⑧色の洪水ラジャスタン

ヘナ刈り唄の撮影を終え家に戻ると

子供達がクレヨンしんちゃんを見ていました。

マハさんもガールズに混ざって一休み。

お家に戻ったのはお昼時も過ぎていたので、席につくなりサーブしてくれました。おなかペコペコで帰ってきたので嬉しい!

アーユルヴェーダでは食事のボリュームの比率は、朝1:昼3:夕2が良いと言われますが、ここでの食事はまさにそれ。お昼が1番ボリュームがあります。今日も美味しそう。

見慣れない食べ物です!

聞けば、とうもろこしの粉をバターミルクで煮込んだものを乾燥した乾麺のようなものだそうです。みるからにラザニアとか細かくしたきしめんとか川幅うどんみたいです。

何度も言うようにここラジャスタンは乾燥の地。野菜も育たない乾季のために乾物を使う調理が発達しているのです。

これはなんと言う食べ物ですか?と聞くと、しんちゃんを見てた子供たちがニヤニヤしながら「ラーボーリー」と言うのです。

「えーーーーーーー」

その場にいたみんなが大笑い。

実はここにきてから集合写真を撮るたびに「チーズ?チャイ?」と笑顔になるような掛け声を聞くのですが、彼らはいつも「ラボリ(rabodi)」と言うのですが、私たちはなんのことかわからず真似するだけでした。その謎がなんとここで種明かし!

これが乾物の状態です。こちらも今回お土産で分けてもらいました。

熱風吹く乾季にこんなふうに作るようです。ヘナと同じく短時間でパリパリですね。

もう一つ特筆したいのはダヒと呼ばれるヨーグルト。写真でおわかりいただけるでしょうか?この特濃具合。ギール種の牛から絞ったミルクそのままを自家製したヨーグルトです。酸味は思ってほどなくミルクの濃厚さがあるにも関わらずあっさりしていて、辛くて有名なラジャスタン料理をマイルドにしつつも風味を増します。これを何かとお料理なかけたり混ぜたりしながら摂るのです。

お料理も、自家製のギーを主に使いますし、ミルクもたくさん使います。良質な動物性のタンパクと油分をしっかり摂ることがここ半砂漠でとても重要なことのように感じます。

美味しくお昼をいただいた後、今日はなんとティナがレヘンガを選びに行こう!と声をかけてくれました。

レヘンガというのはサリーに次ぐインド女性の民族衣装で結婚式などには刺繍やビーズ、スパンコールなどで荘厳に飾り付けられる美しい衣装です。インド映画の中でもよく見られます。

より民族色を強く表現している個性的なものもあります。

クラシックなイメージの強いサリーと違うのはサリーが一枚布であるのに比べ、レヘンガはチョリと呼ばれる短めのブラウスとハイウェストのロングスカート、それにショールの3つのパーツに分かれているところです。

着用の仕方も簡単でアレンジしやすいため現代風にデザインされたものが人気です。

うっとりため息が出るほど美しい。

ですが、今回わたしが所望致しましたのは、ヘナ刈り女性やヘナブラザーズのママがきているような普段着になるレヘンガです。ヘナも刈れる、お料理も作れる、少女のように歌い踊り、太陽のように笑うそんなカッコよくて可愛い女性たちのように着こなしたいのです。

レヘンガは伝統的にラジャスタンやグジャラートで主に着られ、長いスカート部分を指すガーグラと呼ばれることが多いようです。ガーグラはより素朴で伝統的な綿を使ったものとのことで、わたしも綿のものを所望しました。

ところ狭しとチョリ、ガーグラ、ショールの3点セットが積まれています。すでに縫われている既製品ではなく、それぞれのパーツ用の布がキットとして組まれています。

素材の種類と好きな色など伝えるとお店のお兄ちゃんがいくつか見繕って持ってきてくれます。

左上のはバンダニと呼ばれるラジャスタンやグジャラートの絞り染めの模様ですね。

広がるとこんなふうだよ。

こっちはどうだ?と次々広げて見せてくれます。

モダンレヘンガと違って現地の普段着はカラフルです。サリーはわりと単色や同系色でまとめるものが多いように思いますし、高価なレヘンガもシックにまとめられることが多いです。それが普段着レヘンガは少なくても3色使い、多色上等!しかもそれをみなさん平気で着こなせちゃう!

インド、特にここ半砂漠のラジャスタンは太陽の光が違うのです。日本人の目にはびっくりするような組み合わせやビビットな色も、年配の方でも着こなしてかっこいいから素敵!

どれもこれも可愛くて捨てがたいところですが、ようやくいくつかに決めると次はガーグラの中にはくペチコートの色を決めます。

レヘンガのお店ではここまで。4つの布を選ぶところまでです。

この後はテイラーのところに行って身体のサイズを計測してもらい、わたしにぴったりなラインに仕立ててもらうのです。

これはレヘンガに限らずシャツとズボンのセット、クルタピジャマなどでもそうで、インドではまだまだ街の仕立て屋さんで服を縫ってもらうことが健在なのです。自分の身体にぴったりなセミオーダーメイドの服が日常って贅沢だなー。

テイラーはティナのご友人でご自宅に伺いました。旧市街、雰囲気あります。

わあ!ドアフェチのわたしにはたまらない!

ここではティナのご友人に囲まれてかしましくおしゃべりをして.計測してもらいました。数日で出来上がるとのことで.出来上がりを楽しみにお別れしました。

わたしは今回ソジャットで着るためにクルタを数枚と日差しを避けるために帽子を持ってきていたのですが、やはり帽子だけでは灼熱の日差しは避けるのが難しく、帰りにショール屋さんに立ち寄ってもらいました。

物を選んでお支払いの時にティナが携帯をかざしています。今はインドでもインド版paypayでの支払が主流となっています。外国人は使えないためティナが立て替えてくれました。インドもリアルマネーが使いにくくなってきました。小銭の用意がないからとおつりが貰えないのも当たり前になりました。

お家に帰るとマハさんとシャームが話をしていました。見てください、このマハさんのくつろぎ具合。

この2人親子ほども歳が離れているんです。実はシャームとは彼が大学生の頃に知り合いました。その頃アーユルヴェーダドクターが私たちの本拠地にある大学に通っていた彼を「ヘナの工場の息子さんがいるから」と紹介してくれたのが始まりなのです。もう20年近く前のことです。それが今では親友のようです。

さて、今夜のご飯も大好物。

イディリ・サンバルです。これも南インドの軽食ですね。お米と豆を醗酵させたドゥーを蒸したパンに酸味のある豆のスープ、サンバルと緑色のココナツチャトニをつけて食べます。

毎日毎食、私たちが食べやすいように辛さもメニューも考えてくれて本当にありがたいです。彼らと一緒に仕事ができて本当に感謝ですいっぱいです。これからも彼らと共に喜びいっぱいのヘナを皆さんにお届けしていきたいと思います。

続きます