寒い冬を暖かく越えていく植物たち

 「タイヤ交換は終わった?」それがこの時期の八ヶ岳の挨拶がわりのような話題ですが。今年はあったかいねー、なんて言ってたこの冬も標高1000m近いこの辺りはやはり朝晩はもう氷点下です。椎茸の散水も美しいオブジェの登場でそろそろ終わり。


朝日が昇る頃は温度差で上昇気流も発生して、名物八ヶ岳おろしが吹き荒ぶ毎日です。
その分夜の星空は格別です。

そんな季節になっても寒い地域というのはお家の中があったかいというのは聞いたことがありますね。我が家もご多聞に漏れず、冬はかえって室内南国化です。

その室内の暖かさと日照時間日本一を誇るこのエリアならではの太陽をたっぷりいただいて、我が家の冬はジャングルと化します。

子供が小学校に上がるまでは家族でインドに住んでいましたが、その頃から植物が大好きでハーブ園や植物園にもよく足を運びました。
自分の家のテラスでもシャタバリ、ベカンド、ピッパリー、グッグル、カチュールスガンディなどなどありとあらゆる薬効植物を育てていました。

その名残で極寒の八ヶ岳でもついつい鉢が増えるばかり。ここ最近は手が回らずだいぶんと手放してしまったのですがいろんな植物を育てていました。

アロエヴァラ

小さな赤ちゃんがどんどん生まれるので毎年株分をしてお友達のところへ巣立っていきます。

レモングラス

多年草なので地植えで越冬できたらいいのですが、土も凍る八ヶ岳です。 

レモングラスは猫たちが大好きなのでいつも葉先が食べられています。

カルダモン

生姜の仲間なのでこちらも多年草でどんどん株が増えていきます。株分けしながら育てますが流石に鉢では土が足りないのもあって実をつけるところまでは至らないのが残念。

ブラックペッパー

流石にこちらも実をつけるのは難しいです。葉が艶々で観賞用にも美しいです。

ジャスミン

毎年たくさん花をつけてくれるので、ジャスミンティーにはことかきません。花の時期は家中に香りが漂います。 

イランイラン 

アロマではよく知られていますが、初めて花がついた時にはどこが花なのかすぐにわかりませんでした。アロマオイルほどは花から直接の香りは強くはありませんでした。でもなんとも魅惑的なお花です。

カレーリーフ

インド料理には欠かせないですね。すごく強い植物で繁殖力も旺盛。枯れちゃったかな?と思っても絶対にまた再生してくれます。

実もたくさんつくので、何度か育苗もしました。

ニルグンディ(タイワンニンジンボク)

アタルバのマッサージオイルの人気商品でもあるニルグンディオイルの主成分です。

製品になってるものはなんでも育てたくなる性分です。

アシュワガンダ

こちらも今や薬効がありすぎて輸入制限のあるインドハーブです。頂き物の種から育てましたが、育てるのは割と簡単です。毎年簡単にホオズキ様の種をつけてくれます。

コーヒー

子どもの通ってた小学校の校長先生に「コーヒーの木を育てるのは子育ての視点と同じです」と譲り受けた時から育てておりました。葉が艶々とピンと上を向いてハリがあれば元気に育ってます。

お花も咲いて実も育ちました。まだ豆を焙煎して飲めるほどまで収穫はしたことがありません。

パッションフルーツ

こちらは普通に露路で実を収穫することができますが、越冬ができないため我が家では挿し木苗として室内越冬して継いでいます。南国化しているので室内で花が咲いてしまったこともありました。

自家製のパッションフルーツでリリコイバターを作るのが恒例です。

クリシュナトゥルシー

インドでは神様に備えるハーブですが、本国では公園などで垣根になるくらい多年の低木として育てられます。日本では種で1年草のように増やしていくことが多いですが、我が家では室内で5年ほど大木として育ちましたね。

ローゼル

ハイビスカスティーとして知られる植物です。

赤い酸っぱいお茶にりんごとシナモンを浮かべて飲むのが好きです。

ほかにもレモン、パパイヤ、バナナなどなど手に入るものはなんでもチャレンジしましたね。

庭にもリタ(ムクロジ)やローズケンティフォリアなどインドハーブとして扱っているものも育てています。

通常夏場は地植えにしてしっかり太陽を浴びて根を伸ばしてもらいます。

そして霜が降りる前に室内に入れる準備として鉢上げしていきます。

これがなかなか大変な作業です。

全て土から掘り上げて、根っこの中に虫やトカゲの卵やら眠りについたカエルやら、蟻やら雑草の根っこやら、そういうものを綺麗に洗い流して室内用のおすましした鉢植えにしないとなりません。一度冬に家の中でカエルの声が聞こえた時にはびっくりしました。

一冬室内で過ごすにはその間の成長も考えてそれなりに大きな鉢にたっぷり土を入れないとならないので重たくもなります。

我が家は2階の窓側が植物にとっての特等席になるので、全て2階まで運び上げないとなりません。

大変だけど、それを超える冬の室内の楽園感を得ることができます。

また人工的な環境で育てるからこそ、太陽は足りてるか、根はしっかり伸びているかなど、その植物の発育特性なども普通以上に観察することになります。毎日の水やりなど時間も手間もすごくかかるのですが、この分植物から受け取るものも多いと実感しています。

まあしかし、そうしているうちに冬が終わり、また土に埋め戻す作業も一苦労なんですけどね(^◇^;)今年も長い冬を楽しませてくれることでしょう。

sameera