ソメイヨシノが咲く前に

このタイトル、なんのことだと思いますか?

実はキノコ類の菌をホダ木に打ち込むタイミングは、古くからこのように言われてきたのだそうです。

桜の前にはコブシの白い花があちこちに咲きます。こちらも地域によって何かしらの作物を植え付ける時期を知らせます。このあとはヤマブキが咲いたら、藤の花が咲いたら…と続きます。

そんなわけで八ヶ岳にも春がやってきました。我が家より少し標高の低いところではソメイヨシノが満開です。

桜が開き始めてから数日冷え込んだ日があったので、花のもちが良いようです。

が、そう聞くとのんびりはしていられません。

山にとっておいてもらったホダ木を大急ぎで取りに行きます。今年は椎茸のみなので1mほどに切られたナラの木だけです。

一応放射能汚染の検出がされていない山のホダ木を使っています。

仲間に声をかけて急遽植菌の日です。

今回は形成菌だけなのでホダ木にドリルで穴を開けます。だいたい1本のホダ木に25〜30個ほど開けました。もっと少ない方がホダ木のもちがいいそうですが、たくさん打った方が菌のまわりが早くなります。

植菌する方法はいくつかあって、よくホームセンターなどで売っているのは菌糸のはった木からくり抜いた駒菌が多いです。

今回私たちが打つのは形成菌。

おがくずに椎茸の菌糸を培養したおが菌を固め蓋をつけたものです。

トレーから外すとこんな感じ。

穴に直接指で差し込めるので簡単です。

このほかに形成菌にする前のおが菌というものもあります。形成菌を形成させる前の状態を植菌棒という金属のストローに押し出しがついたような道具を使ってホダ木にあけた穴に 差し込む方法と、もう一つは短木栽培という方法があります。

数年前に短木栽培に向いた種類のキノコを植菌したときの写真です。

上記の方法で使うホダ木よりも太めで短いホダ木をさらに半分に切ります。その小口の間におが菌をサンドイッチ状態で挟んで仮伏せします。

仮伏せ後、接地面が白くなって菌糸が張ってますね。

それをパックリ割って菌糸の部分が地上に出るように埋めるのが本伏せです。

ナメコです。

ヒラタケです。

キクラゲです。

こんなふうに植菌と言ってもいろんな方法があります。

今回は私たちは椎茸限定でしたので細長いホダ木となりました。

仲間たちとせっせと植菌して50本。

1日雨に当てて

程よく湿度を吸い込んだホダ木に

しっかり覆いをかけて湿度と温度を保ち菌たちが元気に活動できる環境を梅雨に入るまで保ちます。

梅雨に入れば覆いから出して本伏せをします。それまでに綺麗に菌糸を張ってくれたらいいのですが。

例年の椎茸はこんな感じ。

ぷっくり肉厚。

こんな立派な椎茸が食べ放題です。

食べ切らないので干し椎茸にします。

椎茸は秋と春に取れますが、一回植菌すれば4〜5年くらいは楽しめめるありがたい菌たちからの恵みです。

原木しいたけの旨みと香りは本当に素晴らしいですよ。いつか皆様にもお訳できたらいいのですが。

さて、仲間と集まった時の恒例はランチ。

前日にあった「いのちをいただく会」(この様子は追って)から持ち帰った我が家の鶏のお肉を使ってチキンカレーを振る舞いました。

そしてサプライズギフトで届いた、まるでホダ木そのもののようなローーーーーングなアップルパイ!隣のオレンジケーキが直径18cmくらいでしたので比較でわかるでしょうか。ながさ50cmはあったと思います。

こうしてまた仲間たちと楽しさとおいしさを分かち合うのでした。

いつも食いしん坊投稿ばかりでごめんなさい。

食べることと生きることが直結している暮らしは苦労も多いですが仲間がいると助け合い分かち合いとても豊かです。

食材にも仲間にも感謝です。

sameera