大寒を超え、ここ最近は小春日和とも言えるような、ほんの少し寒さが緩んでいる八ヶ岳です。
おかげさまで鶏たちのために冬の間の青菜として育てている小松菜、青梗菜、タァーサイミックスの畑も何度も降りた強い霜にも負けずなんとか育ってくれていて人間様もおこぼれにあずかっています。
大寒卵と鶏舎の温床
大寒当日に、我が家の鶏さんたちに青菜を献上して縁起物の大寒卵を分けてもらいました。
新ヘナの買い付けから戻ってきたばかりで寒さに慣れてないマハさんですが、鶏たちも朝晩は氷点下5〜10度の寒さの中頑張ってくれてるので鶏舎の温床に米糠を補足して攪拌し発酵を促します。
氷点下の外気の中でこの後40度くらいまで上がってきました。
この温床から上がってくる暖気で鶏たちは暖をとり、発酵が進めば餌となる虫が生まれ、鶏が糞をして土を肥やします。
さて、ここでの暮らしは日々何かしら細かくやることがあって面白いこともたくさんあるのですが、逆にありすぎてちょっと放っておくと日々の出来事として流れて言ってしまいます。
私はせっかくだからとアレもコレもと詰め込んで内容の濃いものを書きたくなってしまう性分なので温めて仕舞い込みがちです。なので今回は脈略もなくリアルタイムで日々にやっているようなことをショートバージョンでいくつか詰め込んでみようと思います。
インド茜の草木染め
まず大寒卵に次いで2つ目です。
インドからアートビーング代表のマハさんが一旦帰国して、いろいろ現地で調達してもらったものが届きました。
その一つが『マンジスタ』、インドアカネのパウダーです。アタルバ社のヘッドマッサージオイルなどに使われている薬効の高いハーブです。そしてマンジスタのもう一つ知られている使い方は草木染めです。
日本のアカネも染めに使われますね。八ヶ岳には紡ぎ糸や世界の原毛を扱うアナンダさんというお店があります。そこでもインド茜やヘナの葉が並んでいました。
アカネは日本アカネのほか西洋アカネ、インドアカネと3種類あります。根っこが黄赤で煮出すことでその色を移し取りますので『赤根』から『茜』となったと言われています。実は我が家の敷地にも探せば日本アカネは生息しています。
ですがそれを見つけて色が取れるまでに育った根っこを掘り上げるのは至難の業で、日本の草木染め業界でも西洋アカネ、インドアカネを使われることがほとんどとのこと。
アカネは江戸時代に制定された日の丸旗を染め上げた日本古来の色とされていて弥生時代あたりから確認されているそうです。
ハーブとしての薬効は利尿、止血、通経薬として、鼻血、吐血、血尿、血便、腎臓病、黄疸、神経痛、リューマチ、月経不順とも言われ下着に使う布染めにも適してると言います。
本当は染めに使うならパウダーではなく根っこそのものを煮込んだほうが色ムラなどができなくいなですが、今回入手してくれたものはパウダーなのでティーバッグに入れて煮出しました。ミョウバンで媒染して二度染めにしました。
綿とシルクの下着を染めたので、全容はお見せできません(笑)
山での生活も冬になると衣類の整理などにもようやく手をつけられるのですが、白かったはずのシャツが無惨に黄ばんでいたりします。今度はこういった黄ばみ系のシャツの紅茶染、胡桃染などもやりたいなと思っています。
干し柿の完成系は理想的に
3つ目です。
今年の干し柿は例年通り初めに干したものは異常気象というのかいつまでも湿度が高くてかびてしまったのでした。意を決して慎重に干した柿は無事に干し終えてしばらく熟成期間として取り込んでいました。
そろそろかな?と開いてみると!!自分史上最高に理想的な粉の吹き方!!触れるとパラパラと白く糖化したお粉がこぼれます。美しいです!
例年干し柿を作ると柚茶として甘く煮た柚ピールと胡桃を巻いたり、チーズを巻いたり色々なマリアージュを楽しむのです。今回はまずはバターを巻きました。濃厚なバターのコクとねっとりした干し柿の甘さがあとを引きます。シナモンを振っても美味しいです。
今年は巻いた後の周りの白さがまた品があってとても満足です。
さて、今日はこの3本立てくらいに留めておきましょうか。ここ数日で冬の森仕事もいくつもこなしていて、コレやったアレやったと書き出していくと本当に自分でもびっくりするほどたくさんのことをやっています。そしてどれもとても楽しくて気持ちの良い作業です。
夏には夏の、冬には冬の仕事がはっきりとしていて、自然と共に季節を感じられるのもここでの暮らしの気に入っているところです。冬は日のあるうちは森の仕事を、日の短いこの時期は暗くなったら家の中で物作りの時間にもなります。それはまたの機会にご紹介しますね。
sameera