ヘナは一晩寝かす?熟成ヘナはよく染まる?

熟成ヘナ
よくある質問
質問

ヘナは水に溶かして一晩寝かせて熟成させると教えているサイトがあります。ところが、こちらでは全く逆に、寝かさないほうがよいと…、、どっちを信用してよいかわからなくなってきました。

まは

皆さま、お一人お一人がいろいろなやり方をお試しになり、ご自分でご判断されるのが基本です。マハラニヘナでは「熟成はヘナの臭みを増し、使用感を悪くし、さらに染毛力も弱める」ため、おすすめしていません。ただし、間違ったやり方を過去に何度となくお伝えしております、間違いが発見された場合は、その都度、訂正させていただいております。そういう意味で、以前はヘナは一晩寝かせて(熟成させる)使うとお伝えしていましたが、現在は、ヘナは30分~程度、馴染ませてから塗布すると訂正させていただきました。

ヘナは馴染ませるが寝かさない

ヘナ石臼挽きの溶き加減

写真はマハラニヘナ石臼挽きを30分程度馴染ませた状態。長時間寝かせの熟成ヘナのほうがレンガ色っぽく、濃く染まりそうに見えるのですが実際は逆です。寝かせすぎると皮膚は染まりやすいが、染毛力が弱っていくことが実験で判明しています。

ヘナは長時間寝かせて熟成させると染毛力が減衰する

2番は水に溶かして1時間後に1時間染めたものです。3番は水に溶かして24時間後に1時間染めたものです。この3番の染まり具合は以下のペーストの状態です。言い換えると、ヘナを溶かして1日経過後に以下のような、いかにも染まりそうなペーストに仕上がるのですが、実際は上の3番のような染まり具合になります。

熟成ヘナ

ヘナの熟成について、何度となく実験をした結果、熟成させることは不必要であることがわかりました。そのため……

マハラニでは、ヘナは50~60度のお湯で溶かして30分~程度馴染ませてから塗布するとしています。

くまで「馴染ませる」のであって、何時間、あるいは一晩など寝かすわけではありません。

水分がしっかりと浸透するまで馴染ませるというだけであって、パン作りのように小麦粉を長時間放置して発酵させるわけではないのです。

1)なぜヘナは熟成させないほうがよい?ヘナの使用感の問題

かなり以前は、インドのヘナのやり方のように、「ヘナは水で溶かして一晩寝かせる」といったやり方をお伝えしていました。

ところが一晩寝かせると、ヘナの匂いが強くなり、ヘナを洗い流した際、ヘナの強い匂いが頭から漂ってくることに気が付きました。

匂いが気になるので、匂いを低減する方法はないかと試行錯誤している際、実験として、ヘナを30分程度、馴染ませる程度にして塗布してみたところ、とても気持ちがよかったのです。

熟成ヘナは匂いが強い、馴染ませただけのヘナは心地よい香りであることがわかりました。

2)なぜヘナは熟成させないほうがよい?ヘナの染毛力の問題

気持ちがよい、使用感がよいのは馴染ませるヘナ、よく染めるには熟成ヘナと思ってしばらく使いわけていたのですが、そこで新たな疑問が出てきました。熟成ヘナ(一晩寝かせ)と馴染ませヘナ(1時間・馴染ませたもの)はどの程度、実際に染まりが違うのか?を実験してみたところ、驚きの結果となったのです。何度となく繰り返し行った実験では、

染まりも馴染ませるだけのヘナのほうがよい!熟成ヘナは染毛力が衰えていた!

という驚きの結果になったのです。詳細は以下のページをご参照ください。

熟成ヘナの染まり具合を実験

 

ヘナは馴染ませることによって発酵していく

以前、インドでヘナを溶かして2日ほど放置したところ、ヘナの表面に白いカビが発生し腐ってしまいました。ヘナを寝かせることで、発酵を通り越して腐っていった。

日本では蒸し暑い梅雨時や夏などは、ヘナが腐りやすい時期であるといえます。

溶かしたヘナはナマモノ扱いなのです。ですので、ヘナを発酵させないように、腐らせないように、ナマモノとして、ヘナは馴染ませる程度でお使いになるがおすすめです。

粉ものを想像していただけたらわかると思います。パン作りで夏場、単に小麦を溶かして自然に発酵させるサワードーという発酵のやり方もあるようですが、小麦を水に溶かして放置すると腐ってカビていきますので、通常は長期、水に溶かした後には放置しないのです。

インドでは長年、ヘナは水に溶かして一晩寝かせた…それは特にメンディアート、皮膚に模様を描くため。

メンディアート…皮膚に模様を描くメンディアートでは、その後の実験で熟成させることで色濃く染まることがわかっているため、メンディアートではヘナは溶かしてから数日間、熟成させるのが必須です。その際は精油をたっぷりと入れ、ヘナが腐らないようにします。熟成させる間にヘナの発酵が進み腐ってしまうのです。精油を抗菌殺菌剤として使用することでヘナを腐らせずに熟成させることで、皮膚に模様を濃く描くことができるのです。

言い換えると、メンディアートでは溶かして馴染ませただけのヘナペーストではよく染まりませんので、ヘナを熟成させなくてはならないのです。こうしたメンディアートでのやり方とヘアケアでの白髪を染めるやり方とでは異なるのですが、この二つの別々の方法が混同され、髪に塗布する場合も熟成させるという誤った考え方が定着してしまったのではないか?と考えております。

熟成ヘナの最大のデメリット…皮膚が染まりやすくなる!

実はこれが問題なのです。皮膚を染めるためのヘナのペースト、熟成させるヘナの溶かし方で、皮膚が濃くしっかりと染まるようになります。言い換えると、

熟成させることで皮膚=頭皮がしっかりと染まってしまうのです。染毛力は弱くなり、かつ、頭皮が染まりやすくなる、ということで、熟成ヘナのやり方はおすすめしていません。

結論:マハラニヘナでは50~60度のお湯に溶かして30分程度馴染ませてから塗布しましょう。

いろいろなやり方があり、いろいろな考え方があってよいと思います。他の方がヘナは寝かせて熟成させるとおすすめしていれば、それを試されてご自分で判断されたらよいと思います。

マハラニヘナではヘナでよく染めることも重要ですが、使用感も重要です。長時間寝かせたヘナはヘナ特有の匂いが強くなり、どちらかというと生臭い匂いとなり不快な場合すらあります。使用感重視ですので、溶かしてから馴染ませる程度で髪に塗布し、ヘナという植物そのものも楽しんでいただく、心地よくヘナタイムを過ごしていただくやり方をお勧めしています。