ヘナの刈り取りはこのインド特有の形をした鎌を使います。この鎌は日本の一般的な鎌とは異なり、歯が厚く重たい、どちらかというと鉈に近いのかもしれません。何しろ刈り取るものは稲わらとは違い、直径1センチ~もあろうかというヘナの枝……うすっぺらい鎌では歯が立たない。歯が厚い鎌で「ぶった切る」といったイメージでヘナの幹に強い一撃を加え、その勢いで刈り取る。一つ間違うと指先が飛んでしまうため、必ず皮の手袋を反対の手にしています。
まさに鎌でぶった切られた後のヘナの切株……ヘナが刈り取られるとそこにはむき出しの半砂漠のような土地が広がる。
刈り取りが終わったオーガニック農園。中央上のほうにうっすらと白い建物が見える。それがこのヘナ農園の中にあるヘナの工場。ここは数ヘクタールは楽にある広大なヘナ農園。ただし、ソジャットでは、この程度のヘナ農園はいくつもある。
インドでも半砂漠として知られるソジャットの炎天下で、一日ヘナを刈り取る(ぶった切る)お仕事はインドで最もきついお仕事の一つといえるでしょう。
刈り取りの機械化は困難
ヘナ農園にとって、ヘナの刈り取り時期はもっとも困難な時期ともいえます。なぜなら、ソジャットに延々と広がるヘナ農園、この刈り取り時期の幅は1か月程度しかなく、それよりも早ければ葉が未熟で色素が弱く、それよりも遅いと葉が熟しすぎて落葉してしまう……。雨季が終わって乾燥が始まってから1か月程度のうちに、ソジャットの広大なヘナの農地からヘナを刈り取ってしまわないとならないのです。
ヘナの需要が伸びたことでヘナ農園が拡大したのはよいものの、ヘナの刈り取り時期における深刻な人手不足が発生し、インド全土から人手を呼び込んでヘナの収穫が行われているのですが、その影響で人件費が高騰している、、、ヘナの刈り取り問題がヘナ農民の悩ませているおり、過去に幾度となくヘナの自動刈り取り機械の試作がなされたが、ことごとく失敗し、結果、昔ながらの鎌による刈り取り作業が今もなお続いているのです。
写真は筆者(マハラニヘナ製造担当)、手には鎌をもっている。こうした皆さんの勤労があって、初めて皆さんのお手元にヘナが届くのです。