ご質問への回答はちょっと上級編で難しいのですが、上の写真は白髪比率40%~をヘナ100%で染めて3~4日程度経過した後に写真を撮影したもの。ヘナの赤みがかなり出ていますが、染めた直後からこのように赤みがでているわけではありません。
ヘナカラーの赤味は、ヘナに含まれる色素~ローソニア色素~が染めた後、酸化することで最終的な色味として出てくる
ヘナを染めた直後は赤オレンジが目立つ
ローソニア色素量は、基本、上の写真にみえるように赤オレンジ色で、染めた直後は赤オレンジが目立ちますが、その後、酸化によって、赤味が増してきます(写真下)が、もともとの色素量が高いほうが赤味が強くなる、ということになります。
酸化するとヘナカラー発色に赤味が増して、ヘナで染めていることがわかりにくくなる。
あくまで相対的ですがヘナに含まれるローソニア色素量が少ないと染めた後、酸化によって赤味が十分に出てきません。
また、新しいヘナであれば、染めた直後はオレンジ味が強くでる場合があり、これが空気に触れて酸化していきますと、じょじょに赤味がましていき、通常、3日~1週間で赤味がかなり濃く発色してきます。
▼ヘナ染め前
▼マハラニヘナ石臼挽きで染めた直後のヘナカラーはオレンジ味が強い
ヘナの本来の色、赤オレンジ色にしっかりと染まっているのが確認できる。
▼マハラニヘナ石臼挽きで染めて三日後で赤味を帯びるヘナカラー
三日すると、染まりが酸化によって赤茶味が増している。真上の写真は赤茶味が増すことで、黒髪との兼ね合いでヘナで染まった白髪がわかりにくくなっている状態です。
赤味の出方を決める3要因
1)ヘナに含まれるローソニア色素量:
ヘナに含有される色素量、ローソニア色素量が多いほうが最終的に酸化によってヘナカラーの赤味が強くでてくる
2)ヘナで染めた後の酸化のさせ方:
ヘナを染めた直後よりも、3日~1週間で赤味が強くなりますが、ヘナ染め後、ヘアドライヤーなどで速乾させると、赤味が出にくくなります。
冬場など、乾燥している時期は赤味が出にくくなる場合がありますので、ヘアドライヤーなどで速乾させず、タオルドライなどですぐに乾かさないように染めた後はタオルをまいて保湿すると発色が進みます。
※酸化には適度な水分が必要不可欠
※新しいヘナは酸化していないため、最初の染まりがオレンジ色が強く見えることが特にあります。
※ヘナの場合のタオルドライは15分~30分程度で十分でしょう。そのあとはヘアドライヤーなどで乾燥させていただいて構いません。冬場などは無理をなさらないようにしてください。
3)良質なオイル
ヘナの前にオイルで頭皮マッサージを行い、頭皮と髪に適度な量の良質なオイル分をしみこませておくほうが、発色が暗めに(オレンジでなく赤っぽく)発色することがわかっています。
オイルをしみこませておくことで、驚くほど色が落ち着きます(オレンジ色→赤味が強くなり落ち着いて見える)。
1)色素量が少なく、2)酸化させ方が悪いとヘナカラーの赤味が出づらい
ヘナの色素量が多くても、ヘナが新しい状態で使用すると、染めた直後はオレンジ色が強くでます。また、色素量が相対的に少な目でも、ヘナ自体が古いと、赤味が最初から出てくる場合があります。
3)油分が欠如しているとオレンジ色が強くでやすい
頭の洗いすぎで油分が抜け落ちていると、オレンジ色が目立ってしまいますので、ヘナの前に適度に良質な油分を補うことが重要です。
一般的に現代人は髪をシャンプーなどで小まめに洗う習慣を身に着けてしまったため、洗いすぎ傾向で油分が欠如、そこへ、さらに油分を吸着するヘナをすることで頭皮、髪が油欠如をおこし、オレンジがより一層目立ってしまうようです。
赤味を出したい場合は、まずは適度に良質なオイルを補うことが必要でしょう。
インド国内流通品は要注意
こうしたことを改善させるために、インド国内で流通している製品は、わずかですが薬品を混ぜ、最初から赤味が強い状態に染めるように調整しているヘナが100%ヘナとして流通する場合が多いことを確認しています。
残念な話ですが、弊社のマハラニヘナよりも、インド国内で安く流通しているヘナのほうが赤味が強く、染めた直後から、しっかり赤く染まっています。理由はヘナにわずかに(おそらく0.1%程度)配合された化学薬品です。化学薬品は草木染めと異なり酸化のプロセスはなく、最初から色が出ています。
写真はヘナの赤味を増す薬品。インド流通品には最初から赤味を出す目的で隠し配合される葉発癌物質が疑われる薬品。詳しくは以下のページを参照。
配合量がわずかですので消費者は気が付かないのですが、インド国内で赤味がしっかりとでるヘナは化学薬品による場合が少なからずあります。
日本にも薬品を隠し配合した製品が輸入されていた可能性
以前は、日本へも、こうした薬品を隠し配合された製品が天然100%として輸入されたことがあったと弊社では考えております(実際に国民センターや税関によって発見された事例があります)。
マハラニヘナはローソニア色素2%以上、ヘナカラーの赤味がしっかり出ます
弊社製品は、1)色素量は 2%以上と、上手にお使いいただけますと十分な赤味が出るレベルの高いローソニア色素が含有されており、今回ご購入いただいたヘナの色素量ですが……
2017年産マハラニ石臼挽きの検査結果
ローソニア色素量2.64%ですので、色素量は十分です。
1)の色素量は多く、あとは使い方の部分で、2)酸化がうまくいき、3)油分を適度に補っていれば、赤味がでてくるはずです。