最初にまず、インディゴがお使いいただける場合はインディゴ、あるいはハーバルカラーシリーズをご使用ください。インディゴのほうが簡単に色味を調整できます。鉄を触媒として染色する場合と同じで、鉄媒染は手やお風呂場(素材による)などを汚してしまう可能性としてのデメリットもありますので、お試になる場合は細心の注意でお願いします。
インディゴがアレルギーで使えない方に特におすすめ!
植物アレルギーでインディゴが使えない!場合は、鉄アムラエキスでヘナを溶かしてヘナをすると、赤みが飛び、繰り返して染めていくことで、そこそこブラウン系に染まってきます。あくまで「そこそこ」です。赤味が飛ぶ程度で、ハーバルカラーやインディゴを使用した場合のようなダークブラウンには発色しません。
ヘナカラーの発色に少し変化を加えたい方にもおすすめ
ヘナの赤味発色を抑えて、ややブラウン系なヘナカラーにして、気分を少しだけ変えたい方にもおすすめです。
鉄アムラエキスとは?
上の写真の真っ黒な液体が、鉄アムラエキス(液体)です。100CCの水あたりアムラ2~3gを溶かして鋳物のフライパンに入れ、1~2日くらい放置しますと真っ黒な液体になり、これを利用します。染色のやり方を染毛にも応用するやり方になります(染色は詳しくありませんが、、、)。
鉄鍋に一晩寝かせる方法とは異なる
効果は同様ですが、やり方が違います。ヘナを一晩寝かすことはしません。なぜヘナを一晩寝かさないかというと、ヘナは一晩寝かせることでヘナのクサミがとんでもなく増加して、ヘナのデメリット(クサミ)が増大してしまうため、ヘナの赤味を押させられるメリットを、このクサミとくデメリットが上回っていたため、おすすめしていませんでした。
鉄にアムラの粉を落として、酸化鉄を精製させて、鉄アムラエキスを使う!
上の写真はインドでよく使われているヘナ鉄鍋で鉄アムラエキスを作ったところ。このボールの利点は丸いのでヘナを溶かしやくなっていること。
ただ、日本のどこにでもある鋳物の鉄のパンのほうが黒いエキスの出がよいようにも思いました。実質、日本ではヘナ用の鉄鍋というよりは、どこにでもあるものを活用するといいでしょう。この件についてはぺージの一番下で、日本では、どんな鉄製品が鉄アムラエキスを作るのに使えるかを検討します。
ヘナとヘナ+鉄アムラエキスの染まり比較
上の写真の真っ黒な液体、向かって右がヘナ100%を鉄アムラエキスで溶かしたもの。まさに真っ黒なペースト。これで染めたところが以下の写真。
直後の染まり比較
真っ黒なペーストだからといって真っ黒に染まるわけでは全くありません。ヘナの赤オレンジ味が抑えられ感じに、洗い流した直後には染まっています。
ヘナを鉄アムラエキスで溶かしたもので染めると、色の深化を1週間程度、先取りする
ヘナは染めた後、色が深まっていきます。ヘナに鉄アムラエキスで溶かして染めた後の染まりは、ヘナ100%で染めて、一週間程度して、色が深まった時の染まり、発色に近しいことがわかりました。鉄媒染の効果で、色の深まりが1週間分、早まったイメージです。
では、ヘナに鉄アムラで最初から染めたものは1週間経過するとどうなっているかを比較したものが上です。かなり色が深まっている。
ヘナの鉄アムラ溶きで繰り返し染めた場合
ヘナに鉄アムラエキスで溶かしたもので繰り返して染めると、赤みが低減し、茶系ににトーンダウンします。
上の実験の、向かって左側3本はヘナ100%の水溶きで染めました。2回とあるのは連続2回、3回とあるのは連続3回です。向かって右側の3本はヘナ100%に真っ黒の鉄アムラエキス(液)で溶かしたもので染めました。2回とあるのは連続2回、3回とあるのは連続3回です。あきらかに、鉄アムラエキスで溶かしたほうが赤味が低減しています。
上の実験は連日行ったため、ヘナの色味の深化がおこっていません。このまま2週間ほど放置すると、そこそこ深い色に落ち着いているはずです。
ヘナの赤オレンジ味を少しでも飛ばしたい方にはヘナの鉄アムラエキス溶きはおすすめ
ヘナを水で溶かしても、1週間~と時間がたてば赤味が低減して、色が深まってはいくものの、時間がかかりますので、最初から少しでも暗めにされたい場合は、鉄アムラエキスでヘナを溶かすといいでしょう。
日本で手にはいる材料で鉄アムラエキスを作る
鉄の供給源として鉄卵のようなものを使います。アマゾンや楽天などで簡単に手に入ります。
鉄卵を容器にいれ水を落とします。
アムラ粉を100ccに対し、2~3gの比率で落とします。200ccであれば、4~6g。
3~4日放置するとさらによい鉄アムラエキスが!
翌日には真っ黒いエキス、鉄アムラエキスが出来上がりますが、1日24時間より2日48時間程度放置したほうがよいようです。長時間放置のほうがアムラによって酸化した酸化鉄(黒色)が多く出ますので、ヘナの赤味をより暗めに落としやすくなります。おそらく3~4日放置するとさらによい鉄アムラエキスができるでしょう。長期間放置する場合はアムラを多めにして、例:100ccに対し3g程度。アムラは酸で保存料としても働きますが、それ以前に、鉄の金属が溶けだすため何日放置しても腐らないようです。鉄アムラエキスが濃厚であればあるほど、赤みは飛びます。
てんぷら用の鋳物鍋(アマゾンで2000円程度)のものを使ってみると
同様に黒い鉄アムラエキスができあがります。この鍋の場合はこのまま、この容器の中でヘナを溶かすこともできるでしょう。
鉄アムラエキスでヘナを溶かして、1時間~程度、馴染ませてから髪に塗布します。鉄鍋でヘナを一晩寝かす必要がないため、ヘナのクサミがまったくなく(ヘナは一晩など寝かせるとクサミが出てくる)、心地よいヘナタイムを楽しむことができます。
鉄アムラエキスを作る上での注意点は、鉄鍋などはシリコンコーティングがしてあるものが多いです。購入時、シリコンコーティングしていないものを確認して購入してください。通常、油を塗布してありますので、使いはじめ、洗剤でよく洗い、一旦、空焚きをすると、塗布している油が焼ききれますので、使用開始OKです。
インディゴアレルギーなどでインディゴが使用できない方、あるいは、ちょっとだけヘナの赤味を抑えたい方におすすめな方法、鉄アムラエキスの活用方法をお伝えしました。ヘナを長い間寝かせていないので、ヘナのクサミが発生しないので使用感もよく、心地よいヘナタイムを楽しめます!
トリートメント作用良好!
ヘナを鉄鍋で溶かして長時間寝かせた場合、これも真っ黒なペーストにはなりますが、鉄分が髪をきしませ、ヘナのトリートメント作用をやや損ないますが、、、
鉄アムラエキスの場合は髪のキシミ、仕上がりの悪さはなく、ヘナのトリートメント作用良好です!
ヘナの赤味を飛ばすだけ、、、ではありますがヘナカラーがかなり違った印象を与えるでしょう。通常、ヘナだけでヘナ白髪染めをされている方も、たまにヘナの鉄アムラエキス溶きでヘナをしてみると、印象の違いがありますので、楽しみの一つとして遊んでみていただけるといいでしょう。
今回の実験に使用した製品
鉄卵については、「鉄卵」とショッピングサイトで検索。鋳物の鍋については「鋳物 揚げ物 鍋」などと検索すると、2000円~5000円で揚げ物用の鉄鍋がありますが、鍋の場合、注意点はシリコンコーティングが施されていないものを選んでください。