よく染めるインディゴの溶かし方~馴染ませ時間は30分か1時間か?

よく染めるインディゴの溶かし方

ここで前回までの実験結果のおさらいをします。

インディゴを溶かしてから時間経過と染毛力の変化

 

こちらの実験では馴染ませ時間、つまりインディゴを溶かしてからの置き時間が1時間まではインディゴの染毛力に問題がなさそうだという結果になっていましたが、この実験は常温実験でした。これはインドの1月に行われた実験で、この際の常温は23度前後です。そのため実際の状況とは異なるため(実際の染毛は50~60度のお湯で溶かし、人肌で塗布、人の体温で保温しながら行う)、40度保温での寝かし馴染ませ時間ではどうなるかを確認のために実験してみたのが今回の実験。結果をいうと、インディゴの染毛力は温度により大きな影響を受けるということがわかりました。

インディゴを溶かしてから時間経過と染毛力の変化

上の実験では、常温(23度)で溶かし1時間寝かせ、1時間染毛したものは30分寝かせ1時間染毛したものと大差ありません。23度という常温では温度が低く、インディゴが非常にゆっくりと反応していくと考えられます。ところが今回の実験は40度保温で、この場合はインディゴを溶かしてから1時間寝かせると、反応がかなり進んでおり、染毛力が明らかに弱ってきています。

よく染めるインディゴの溶かし方

50~60度のお湯で溶かし、40度保温で1時間寝かせ、1時間染めたものは、明らかに染毛力が弱ってます。

インディゴを何度のお湯で溶かすがカギ

もし、仮に熱湯で溶かすとしたら、急速にインディゴの反応が進み10分以内にインディゴの染毛力が弱ってくる可能性が高いため、すぐに塗布する必要がありますが、熱湯で溶かしているため熱すぎて塗布できません。そのため、インディゴを熱湯で溶かすのは不可。

70~80度のお湯でインディゴを溶かす場合は……

仮に通常よりやや熱めのお湯、70~80度で溶かすと、溶かしている間に50~60度に温度が落ちてきます。この場合は、温度が高めですので、30分など放置するとインディゴの反応が早く進み、染毛力が弱ってくる可能性が高いため、10分くらい放置して40度~50度程度に温度が下がってきたところで、ささっと素早くインディゴを塗布したほうがいいでしょう。70~80度でインディゴを溶かした場合は馴染ませ時間は10分~程度がよいでしょう。

50~60度のお湯でインディゴを溶かす場合は……

溶かしている間に40~50度に温度が下がってきます。この場合は、10分程度放置すると冬場などはペーストが冷えてきますので、湯煎し、保温しながら馴染ませ放置時間30分くらいで塗布するといいでしょう。そうして1時間染めたものが………

よく染めるインディゴの溶かし方

それが今回の実験の30分寝かせの染まりと一緒です。おそらくですが、70~80度のお湯で溶かし、10分~程度溶かして塗布したものとほぼ同等になると考えています。