2020年産マハラニヘナ石臼挽きの検査結果を公開します。マハラニヘナ石臼挽き出荷に先出ち、すでに重金属とローソニア色素検査は実施済でしたが、再度、すべての項目で検査しましたので公開します。日本へも完成品を空輸し検査を実施。検査実施日、製品名、ロット番号などを確認していただき、さらに検査項目、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、砂分、化学染毛料の有無などが重要です。
砂分は0.44%とほぼないに等しい
砂漠で育つヘナには砂分がかなり付着しています。そのため製造工程において砂分をどれだけふるい落とすかが重要な製法の一つです。以前は数パーセントあった砂分が現在は0.44%と好成績です。
重金属はマハラニの自主基準値以下
ヘナの重金属の基準値については明確な値がありません。マハラニでは10mg/kg(PPM)以下であることと定めています。特に水銀についてはほぼ無しであることが望ましいです。重金属の中で高い値が出やすい項目は「鉛」です。インド国内でも環境汚染の関係で鉛の汚染されている地区もありますし、また、ヘナの産地でも部分部分では鉛に汚染されている地区もありますので、慎重な検査が欠かすことができません。つまり、輸入してからの検査では全く遅く、買い付けの段階で細かくロット毎に重金属検査を実施、製品化後の安全性を原材料ヘナの葉の買い付けの段階から担保しています。
ヘナの染毛力:ローソニア色素3.01%
2020年マハラニヘナ石臼挽きは、2019年産マハラニヘナ石臼挽きより、若干、赤みが濃いことが初期の染毛実験にてわかっていたため、去年の石臼挽きのローソニア色素量よりやや高い値が出ることを予想していました。
ローソニア色素量2020年産3.01%>2019年産2.63%
わずかな色素量の違いが、以下のような発色の違いとなっています。
結論:2020年産は2019年産と比較して、染毛力がやや高いが、粘りがやや弱い
ただし、粘りは2019年産が断然とよく、2020年産は粘りが劣る状況で、これが何を意味するかとういと以下のようになります。
2019年産マハラニヘナ石臼挽きの溶かし加減、ヘナ1に対し4倍の水
2020年産マハラニヘナ石臼挽きの溶かし加減、ヘナ1に対し3.6倍の水
つまり、同じヘナペーストの量を作るためには2020年産は、足せる水分量が10%ほど少ないため、2019年産よりも10%ほど多く、ヘナの粉の量がいる、、、とうことになります。
マハラニヘナ石臼挽き完成品の日本での検査結果
ブリリアントグリーン(緑色の人工着色料・ヘナの粉の色の見た目を調整するために添加される)やその他の人工着色料の検出検査。
人工着色料の検出検査:ブリリアントグリーンなど
化学染毛剤の検出検査:ピクラミン酸など
以下の検査はヘナの発色、染まりを調整するために添加される化学物質の検出検査。この中で特に問題なのはピクラミン酸という劇薬。これは品質の悪いヘナを最高級のヘナに見せかけるためにヘナによく添加される薬品です。
発売遅れについて
今年はヘナの産地において作柄不良が発生し、ヘナの原材料であるヘナの葉の選定、買い付けに通常より日数を要しました。世界的な天候不順の影響です。ヘナの葉の過熟が発生し、鮮度が落ちる、つまり茶色味を帯びたヘナの葉が多出したため、まだ鮮度を保っている(緑色を保っている)ヘナの葉の確保に時間がかかりました。ヘナの葉がよく熟しているため、全般的に色素量は多いが、粉の色は過熟で例年より茶色味を帯びているということが、2020年の全般的なファーストクロップ(雨季開けの第一収穫)の作柄となります。
注意はこれからセカンドクロップ(雨季開けの第二収穫)が出てくるため、こちらは鮮度あり緑が濃いかもしれませんが、ローソニア色素は仮にある程度はあったとしても、色素自体の質が悪く、染まっても色落ちしやすいヘナのため要注意。ファーストクロップが過熟で鮮度が落ちた茶色の粉のものが多く、緑の人工着色料を添加して出荷されたり、鮮度がよい緑色のセカンドクロップをませたりしたヘナが今年は出回りやすい年となるでしょう。
また、世界的な輸出入の停滞によりコンテナがないという状況でコンテナ待ち、出荷待ちの状況により順番待ちに数週間を要したため入荷が遅れおり、石臼挽きヘナの発売は3月後半ですが、通常の機械挽きヘナ、ファイン粉末などの発売は5月になる模様です。(於インド、アートビーング代表:鈴木)