2021年産マハラニヘナ石臼挽きの特徴

石臼挽きペースト

上の写真は、2021年産マハラニヘナ石臼挽きを4倍の水で溶かした直後の様子。

粘り良好で、鮮度のある粘りが高いヘナには経験的に高いトリートメント作用があります。

昨年、ヘナの産地にあるマハラニヘナ生産委託工場SMHEENA社では、石臼挽きの装置4台を導入。30年以上前に現地で、使用停止、放置されていたものを再生する形で設置、調整しました。

ヘナ石臼挽き

石臼の種類が違います

ヘナ石臼

上の写真が、今回から使用された石臼の表面です。30年以上も前に実際に使用されていたものを再生して利用再開したものです。

以前の石臼は薄い赤茶の石臼(下の写真の赤石臼)を使用していましたが、今回は、御影石のような、グレーに斑点模様のある石臼も併用して使用されています。この石臼はインド全般に香辛料やさまざまな食材を粉末化するために昔から使われ来た一般的な石の材質のものです。

石臼比較

石臼に利用される石はいくつかありますが、今回、追加で再生された石臼はインドで一般的に香辛料や食品、ハーブなどの石臼挽に家庭などで使用されているタイプ、御影石風のタイプのものです。なにしろ、30年以上も前に放置されていた石臼を探し出し再生していますので、石のタイプがまちまちです。

石臼

石臼でヘナが粉になる際、ごく微量の石臼の粉もヘナに混ざります。石の表面にある黒っぽい点々はおそらく鉄分のようなミネラル分でしょう。

ヘナ石臼

こうした微量のミネラルが石臼で挽く際にごく微量ヘナに混ざっていることが今回わかりました。通常の粉の状態では鶯色で石のミネラルがごく微量混ざっていることはわかりません。

石臼の粉

水に溶かした直後もわかりませんが、20分~すると、小さな点がペーストの表面に現れませす。

石臼ヘナのペースト

細かい黒い点々がペースト表面の数か所に現れます。これはヘナ石臼が回転して擦れることで微量に混ざる石の成分=鉄分であると考えられます。ヘナを鉄鍋で溶かし一晩寝かすと、ヘナの成分と鉄が反応して真っ黒のペーストになります。(写真下)

ヘナ鉄鍋

昔はこうしてヘナを鉄鍋で溶かし、真っ黒にした状態で使用していました。ヘナは鉄と反応することで黒く変色することがわかっています。

ヘナを石臼挽きする際、ごく微量の石臼の粉末が粉末化の際にヘナに混ざりますが、実際はほんの微量のため使用にはまったく影響ははありません。

ヘナを溶かしたときに現れる小さな黒い点々が石臼挽きである証

実際には以前も石臼でヘナが挽かれる際に、ごく微量、石臼の粉末がヘナに混ざってくるのですが鉄分のはいっていない赤石であったため、わからなかったということです。今回は、多少の鉄分が入っている石臼のため、ヘナと鉄分が反応して、点々がペーストに現れるということですが、ご使用には全く問題ありませんし、この点々こそ石臼挽きである証明ともいえるでしょう。

2021年産ヘナ石臼挽きはよく粘ります=高いトリートメント作用

石臼挽きのペースト
溶かして10分程度のためまだ点々は現れていません

2020年産マハラニヘナ石臼挽きより粘ります。ヘナ石臼挽き粉1に対し、4倍の重さの水(50~60度のお湯)で溶かすと、10分後に上記の写真のような粘りが出てきます。ヘナの粘りは、ほぼほぼヘナのトリートメント力と考えています。

粘り、保水性については、2020年産と比較した場合10%ほど高くなっており、トリートメント力においても2020年産よりやや高めになっていると考えられます。

染まり/染毛力/ローソン色素量:2.53%~2.57%

2020vs2021ヘナ石臼挽きの染まり比較
ほぼ同等の染まり

染まりについては、2020年産と2021年産の石臼挽きの比較染毛試験を、幾度となく行っています。同等の染まりで、実際にご使用になる場合には違いはわかりませんが、SGS研究所の結果では、2020年産のヘナ(ローソン色素量3.01%)が0.44%ほどローソン色素含有量が多い結果になっております。

2020年1月10日、出荷直前の完成品ローソン色素量検査結果:ローソン色素量2.57%

石臼挽きの検査結果

2020年12月15日、製造完成品のローソン色素量検査結果:ローソン色素量2.53%

マハラニヘナ石臼挽の検査結果

重金属検査も一緒に行い、マハラニヘナ自主基準に合格済。

製品完成品の全検査

石臼挽の全検査

製品がラインから流れ出してきた際、製品化された際にすぐにSGS検査所に送ります。結果は前段階で繰り返し検査をしているのでわかっていますが、最終製品版として検査を実施しています。もちろん、化学染毛料の検出検査を行い、検出なし。

ヘナの見た目を緑に見せるためのブリリアントグリーン検出せず

ブリリアントグリーン

ブリリアントグリーン、インドではダイアモンドグリーンと呼ばれ、ヘナの見た目を緑っぽく見せるために、インドではごく一般的にヘナに添加される化学着色料の類です。ヘナの工場ではこうした化学薬品を添加したヘナが同じ装置、ラインで製造されています。ブリリアントグリーンについては以下のページをご参照ください。ちなみに、マハラニヘナが生産を委託しているSMHEENA社は「化学薬品ゼロ宣言工場」で、薬品入りのヘナは製造をしていません。

ピクラミン酸をはじめ化学染毛剤は検出されていません

化学染毛剤 ぴくラミン酸などの検出検査結果

ヘナなどに添加される化学染毛剤の検出検査を日本で実施しています。インドではピクラミン酸などがよく添加されますので、ピクラミン酸の検査は必須でしょう。

ある有名メーカーの場合、インドから輸入しようとしていたヘナが通関の際の検査でピクラミン酸がヘナに添加されていることが判明し、廃棄された例が過去にあります。

ピクラミン酸はインドでは日常的にヘナに添加されているため、混入の心配もあるため、検査は欠かさないといえるでしょう。ちなみに、ピクラミン酸は劇薬の部類に属する化学薬品です。

マハラニでは、ヘナは化学薬品を一切添加しないヘナの工場にて生産をしておりますので、誤ってピクラミン酸などの薬品がヘナに混入することはありません。